ライフスタイル支援で多様な人材・企業を惹きつける!地域創生の試み(後編)
地方自治体が地域創生を目指し、多様な人材・企業を惹きつける、ライフスタイル支援の取り組みが注目されています。それはどのような試みなのでしょうか。前編では、現代社会で起きているライフスタイルの変化の中身と、自治体によるライフスタイル支援が地域創生につながる理由を説明しました。後編は、自治体によるライフスタイル支援の事例をご紹介します。
ライフスタイル支援で多様な人材・企業を惹きつける!地域創生の試み(前編)
自治体によるライフスタイル支援事例
ここで、自治体が取り組んでいるライフスタイル支援として特徴的な4つの事例をご紹介します。
富山県南砺市:副業で都市人材と市内企業をつなぐ
富山県南砺市では、都市部で副業をしている人材と、南砺市内の企業のマッチングを支援しています。多様なスキルをもった都市部の人材と、実績豊富な地元企業をつなぐことで、都市部のスキルやノウハウが地元企業に導入され、市内企業の競争力向上が期待されます。
地元企業が悩む人手不足の問題解消にもつながっており、都市部の人々が副業を通じて労働力を提供するだけでなく、南砺市の企業に技術や知識、労働力を提供し、南砺市内の企業の新たな事業開発や、マネジメント改善に貢献する、といった効果も生まれています。また関係人口の増加にもつながり、南砺市に愛着をもつ人を増やす効果もあります。
南砺市の事例は、市内に住む人だけでなく、市外に住む人のライフスタイル支援を自治体が行った特徴的な事例といえるでしょう。
北海道上士幌町:サテライトオフィスの設置
北海道上士幌町にある「かみしほろシェアOFFICE」は、「都会と田舎をシェアする」というコンセプトを掲げたサテライトオフィスです。ナイタイ高原牧場や東大雪の山々が見られる景観の中に、執務スペースや会議室、ロッカー、キッチンなどが完備されており、充実した仕事をするための環境が整えられています。
上士幌町の事例は、自治体がライフスタイル支援の一環でワークスペースを設置し、地域の魅力を活かして移住や定住施策につなげた特徴的な事例といえるでしょう。
和歌山県白浜町:ワーケーション企業の誘致
和歌山県白浜町では、ワーケーションを活用した企業の誘致に力を入れています。ライフスタイル支援の取り組みの一環として、ICT企業向けの視察ツアーが実施されており、白浜町の魅力を発信しています。視察ツアーでは、事業拡大や人材採用に役立つ白浜町の取り組みや施策が紹介され、企業が地域と連携してビジネスを展開することが期待されています。
白浜町の事例は、リモートワークやワーケーションが受け入れられる社会的な潮流と、地域の観光資源の魅力をうまくつないだ、ライフスタイル支援の事例といえるでしょう。
山形県酒田市:子育て支援タクシー
山形県酒田市では、「子育て支援タクシー」事業が行われています。仕事でお迎えに行けなかったり、習い事の送迎が難しかったりする親の代わりに、タクシードライバーが送迎をしてくれます。タクシードライバーは、子どもや子育てについての知識を学び、保育実習も受けた人なので、親としても安心して任せられます。
酒田市の事例は、男性も女性も職場で活躍するライフスタイルに合わせて支援をした、特徴的な事例といえるでしょう。
まとめ:地域創生とライフスタイル支援で未来を拓く
今回紹介した各地域の取り組みは、ライフスタイル支援を通じて地域創生する力強い試みです。 地域の魅力を活かしながら新しい働き方や暮らし方を創出することで、地域の発展や人々の幸福に大きく貢献できるでしょう。ぜひ、これらの取り組みに関心をもち、自らの地域におけるアクションを検討してみてください。