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何をしてくれるの?まちづくりコンサルティングのサポート内容

目次
  1. まちづくりコンサルタントとは
  2. 行政計画の策定に関するサポート内容
  3. 行政施策の実行に関するサポート内容
  4. まとめ

「まちづくりコンサルタント」と呼ばれる事業者は多くいます。企業として事業を営んでいる場合もあれば、個人事業主もいて、事業規模はさまざまです。また、具体的なサービス内容がわかりにくいこともあり、「まちづくりコンサルってなんとなく怪しい気がする」と感じている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、まちづくりコンサルティングとはどのようなものなのか、具体的に何をやってくれるのか、詳しく解説します。



まちづくりコンサルタントとは

「まちづくりコンサルタント」について、国は明確に定義をしていません。さまざまな事業者が得意分野を生かしてまちづくりをサポートしており、それを「まちづくりコンサルティング」と表現しているのです。

事業者ごとに「まちづくり」の定義が違うことも多く、サポート内容にも違いがあります。このような状況がわかりにくさにつながっているのでしょう。とはいえ、コンサルティング内容を分類することは可能です。大きく分けて「行政計画の策定系」と「行政施策の実行系」の2種類に分類されるといわれています。



行政計画の策定系

1つ目が、行政計画の策定を支援するコンサルティング、いわゆる上流部分です。

行政計画とは、自治体の活動の方向性を定めるもので、自治体が作ったものを議会が認定する形で発効します。どのような自治体にも必ず行政計画があり、まちづくりに関する幅広いテーマにおいて中長期的な方針や目標を決めています。たとえば、福祉、男女共同参画、教育環境、健康増進、生活インフラ、防災、環境、観光、シティプロモーションなどです。

自治体が行う行政施策は、すべて行政計画を実現するために行われています。つまり、行政計画と整合しない行政施策には予算がつかないのです。
 
行政計画は自治体の将来を決める重要なものなので、慎重な検討プロセスを経て決まります。地域の強みや弱み、地域が抱える課題、人口減少や産業構造の変化といった社会情勢、国の方針、そして住民や専門家の意見などが検討されます。

このような検討を自治体職員だけで行うのは不可能ではありません。しかし、情報収集や各種事務分析・事務手続きに膨大な時間がかかるため、日々の業務と並行して進めるのは困難です。そこで、さまざまな自治体の行政計画の策定を支援した経験や、豊富な知見をもつ専門家の支援を受けるのです。



行政施策の実行系

2つ目が行政施策の実行を支援するコンサルティング、いわゆる下流部分です。

行政計画で方針を決めたとしても、それを自治体職員だけで具体化するのは難しい場合もあります。たとえば、シティプロモーションについて考えてみましょう。シティプロモーションでは、まちの魅力を集めた特設サイトを設けたり、市民が魅力をSNSなどで発信する仕組みを整えたり、住民が暮らしの情報を受け取る仕組みを作ったり、イベントを開催するなど、幅広い取り組みが必要になります。

効果のある施策を実行するために、まちづくりのコンサルティングに頼ることがあります。専門的知見や技術をもつ事業者に一部を委託することで、スムーズで大きな効果が期待できます。



行政計画の策定に関するサポート内容

行政計画には福祉や環境、経済などさまざまな分野がありますが、策定する流れはおおよそ決まっています。まちづくりコンサルティングのサポートを受けることで、細かい事務手続きを委託し、自治体職員は重要な方針を検討するなど、意思決定に注力できるようになるでしょう。ここでは行政計画に関する具体的なサポート内容を紹介します。



現状調査および将来予測

どのような行政計画でも、最初は現状把握から始まります。地域を取り巻く環境、地域の沿革や現況、将来性を幅広く調査・分析したうえで、現状および将来訪れる課題を整理します。たとえば人口動態、自治体内の産業、地域全体としての経済収支、1人あたりの所得、自治体としての財政状況、地域特性などが挙げられます。

自治体職員であれば「自分たちの現状は、自分たちが一番わかっている」と思うかもしれませんが、数字レベルで客観化できているかというと、そうでもありません。また、自治体職員によっても現状把握の状況には差があります。



市民等の意向調査

市民、企業、地域団体などに現状感じていることを聞いて、行政計画を決めるための参考にするプロセスです。

代表的な方法が市民アンケートで、数千人単位など大規模に実施することもあります。アンケートを配り、感じている課題や自治体に期待すること、現状満足していることなど、幅広く意見を集めます。

こういった意向調査は、調査段階と策定段階の両方で実施することがあります。調査段階では現状把握を主な目的とし、策定段階では作成した行政計画の素案を見てもらい、意見を集めます。後者はパブリックコメントと呼ばれており、Webサイトなどで行政計画の策定素案を公開し、コメントを集めます。



協議会の運営支援

一部の自治体職員が作った行政計画案が、そのまま認定されることはありません。幅広い意見を集めるために協議会が設けられ、自治体の首長や職員だけでなく、業界団体の代表、研究機関等の有識者などが参加します。
 
協議会は複数回開催されることが多く、課題の整理、方向性の検討、行政計画の具体案など、さまざまな内容が議論されます。まちづくりのコンサルティングを頼ることで、協議会に提出する資料作りや、会場の準備、参加者への連絡調整、ステークホルダーとの事前ミーティング設定などのサポートを受けられます。
 
とくに協議会に提出する資料は、協議会で承認されれば行政計画の素案に反映されることが多いため、入念な準備が必要になるでしょう。こうした資料作成には多くの時間がかかりますが、コンサルタントに委託すれば自治体職員の負担を減らせます。



行政計画の素案策定

行政計画は最終的に書類としてまとめられ、議会による認定やパブリックコメントを経て、自治体のホームページ等で市民に公開されます。

行政計画は何十・何百ページに及ぶことがあり、市民が理解しやすい形に整えなければなりません。たとえば、パンフレットや行政計画を1枚にまとめた概要説明資料などが挙げられます。まちづくりコンサルティングを受けることで、こうした市民向けに公開する媒体制作の委託も可能になります。



行政施策の実行に関するサポート内容

行政施策の実行における、まちづくりコンサルティングの支援内容は、実施するプロジェクトによって大きく変わります。行政計画の策定と同様に大まかな流れがあり、それぞれでサポートを受けられます。事業者によって得意・不得意、できる・できないがあり、受けられるサポートにも違いがあります。ここでは行政施策の実行に関する具体的なサポート内容を紹介します。



詳細な市場調査

行政計画を策定した段階で、大まかな現状調査や将来予想をしていますが、より詳細な調査が必要になる場合があります。

たとえば、行政計画で「シティプロモーションの推進」が決まったとすると、それを実現する行政施策では「誰に、何を、どのように発信するのか」を決めなければなりません。現状は市民が何を見ていて、どこで情報を得ているのか、どのような情報が求められているのかなどを詳しく調べる必要があります。

このような市場調査を専門とする事業者もいます。専門の事業者に委託することで、自治体職員で集められない規模の情報を集め、専門的知見から分析結果の報告を受けられます。



プロジェクトの事業性評価

行政施策の実行には大なり小なり費用がかかるため、自治体で事前に予算計上する必要があります。予算計上するために、議会でプロジェクト収支の説明が求められる場合もあるでしょう。支出した費用に対してどれだけの効果が得られるのか、プロジェクトの事業性が問われるのです。

たとえば、シティプロモーションでポータルサイトを作る場合、ポータルサイトの制作や運営、発信するコンテンツの準備にかかる費用に対して、どれだけの人がポータルサイトを見て、自治体への移住や定住につながるのかなどが問われたりします。

こうした事業性評価は、ポータルサイト制作や運営を行う事業者からのデータ提供を受けたり、まちづくりコンサルティングを行う事業者に委託したりすることで、精度を高められます。



目標達成のために必要とされる要件・指標の策定

ただ単に行政施策を実行するだけでは、目標とする成果に届かない場合もあります。そこで、確実に目標達成できるよう、実施するべきアクションや用意するべき機能、クリアするべき指標を明確にします。

たとえば、シティプロモーションのポータルサイトの場合、どのような機能が必要で、どのようなコンテンツを、どれだけの頻度で発信していくのか、といったポータルサイトの製作や運営で求められる要件を決めます。ポータルサイトの閲覧者数や、意図した行動を起こしたユーザーの数など、数値的な成果指標も決めます。

要件定義や成果指標策定では、自治体職員も「何が正しいのか」判断できない場合もあります。経験豊富で頼れるまちづくりコンサルティングの事業者に頼ることで、自治体職員として安心できるものを策定できるかもしれません。



委託先事業者の選定

実際に行政施策を実行する段階になると、さまざまな事業者に業務を委託することになります。自治体は業務の委託先を公募し、入札やプロポーザル(コンペ)を行い、最終的に優れた事業者を選ぶプロセスを踏みます。一方で、恣意的な選定とならないよう、公平性を確保することも求められる重要な要素となります。必要とする能力をもった事業者を、公平なプロセスで選ぶ必要があるのです。

まちづくりコンサルティングを行う事業者のなかには、事業者選定を支援するサービスを提供している事業者もいます。たとえば、公募の際に公開する情報、募集書類に記載する要件、事業者選定時の評価指標を提案してもらい、公開する仕様書や評価基準書などの案を作ってもらえます。



プロジェクトの実施状況の管理・報告

プロジェクトを進めるにあたっては、委託先事業者や自治体内の他部署、その他関係者との調整を行いながら、実施状況を管理する必要があります。そうしたプロジェクトマネジメントを、まちづくりコンサルティングを行う事業者に任せることもできます。

すべてを丸投げするのではなく、定例ミーティングなどを行って報告や相談を都度受ける体制を整えておきます。自治体側は軌道修正をしたり、追加指示を出したりしながら、意図する方向から逸れないように監督します。



成果のとりまとめ

行政施策を実行した後の、最後のプロセスです。行政施策は実行して終わりではなく、必ず自治体内の責任者や議会に報告することが求められます。かかった費用や得られた成果、今後の課題などを報告書としてとりまとめます。

こうした報告書は市民にも公開され、次年度もプロジェクトを続ける場合はその方針を決めるための基礎資料として重要になります。まちづくりコンサルティングを行う事業者に報告書の素案作りを任せることで、自治体職員の負担を減らせます。しかし、すべてを任せてしまっては意図したものにならない可能性もあります。報告書作成においても、自治体職員と事業者間で密なコミュニケーションを行う必要があるでしょう。



まとめ

ここまで「まちづくりコンサルティング」について説明してきました。まちづくりのコンサルティングを行う事業者を頼ることで、行政計画の策定から実行、成果のとりまとめまで、幅広い業務でサポートを受けられます。ただし、すべて事業者に丸投げでは求める成果を出すのは難しくなります。あくまで自治体が主導権を握り、主体的に進める必要があります。

まちづくりコンサルティングを行う事業者は、自治体がイメージすることを技術的に形にする支援を行いますが、彼らが提供する価値はそれだけではありません。重要ではない事務作業を請け負って、自治体職員が本来やるべき意思決定や自治体内の調整などに集中できる環境を作る点も、重要な価値といえるでしょう。

サイネックスは、シティプロモーションやDXの領域において、官民協働のビジネスモデルで自治体や地域事業者と協力し、よりよいまちづくりのために自治体のサポートをしています。まずは「こんなことができるだろうか」というレベルからでも、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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