サイネックス・マガジン

さまざまな見せ方、デザイン、構成を考えて作成できる子育て情報誌

目次
  1. 子育てに特化したガイドブックの発行自治体が広がっています
  2. 子育てガイドブックのボリュームと内容
  3. 所沢市の子育てガイドをサンプルに内容を紹介
  4. 子育て支援サービスをパッケージ化して子育て世帯に届けたい

子育てに特化したガイドブックの発行自治体が広がっています

こんにちは! サイネックスマガジン編集部の島Dです。主に地域行政情報誌『わが街事典』をはじめとした、紙媒体の編集をしています。

『わが街事典』では、暮らし全般の情報を盛り込んだ「市民便利帳」「市民ガイドブック」などのほかに、「子育て」「高齢者」「健康」「ごみ分別」「シティプロモーション」など、ワンテーマに特化したガイドブックも作成しています。

なかでも「子育てガイドブック」は全国でひろがっていて、全国399自治体で発行しています(2024年8月末日現在)。

「子育てガイドブック」は、コンパクトに携帯できるようにA5サイズのものが大半となっています。基本的に妊娠届を出す際に手渡されるため、第二子、第三子と多子世帯には子どもの数だけ「子育てガイドブック」が配られるようです。

子育て支援サービスや施設のリニューアルなどで、1、2年の短い周期で版を重ねる自治体もあります。その場合、第二子の際に手渡された冊子はデザインの違う新しいものになっていることもあります。


子育てガイドブックのボリュームと内容

冊子のボリュームは40~100ページ前後が大半です。
内容は大きくわけて次のようになっています。
・妊娠・出産から小学校入学までのライフステージをあわせた項目建てをして、子育て支援情報などの紹介
・公園や屋内施設など、子どもを遊ばせられる施設の紹介
・男性の育児参加や離乳食の作り方、三世代の育児のススメなど、子育てにまつわるフォローアップ
・災害や事故から子どもを守るための豆知識(子ども用の防災グッズや屋内の危険箇所など)
・子育てに悩んだ親に向けての相談先案内

これらの内容は、『わが街事典』の特徴である階段型インデックスを生かし、表紙を見ただけで目的の情報に辿り着くように工夫しているものがほとんどです。

自治体の子育て関連施設で配布しているとことも多いので、興味のある方は受け取りにいってみてはいかがでしょうか。


所沢市の子育てガイドをサンプルに内容を紹介

ライフステージにあわせた項目を埼玉県所沢市「ところっこ子育てガイドブック~妊娠・出産・子育て~ 令和6年度版」で紹介していきます。

●妊娠したら
妊娠から出産までの各種手続きや助成制度のほか、妊娠期の体調や働き方のアドバイスなどをまとめたページです。

●出産したら
出産後の各種手続きと産後の母体ケア事業、健康診査や予防接種などについてまとめたページです。児童手当やこども医療費助成などは産後の手続きなので、この項目で紹介していることが多いですが、冊子によっては「各種手当」という項目があり、そこで子育てにかかわる手当や助成をまとめている場合もあります。

●預ける・通う
保育のために「子どもを預ける施設」、学びのために「子どもを通わせる施設」を紹介しているページです。一時預かりや病児保育、ファミリー・サポート・センター、児童クラブなどを連絡先と一緒に掲載しています。

●各種相談
子どもの発達や子育て、健康、教育といった子どもと保護者にかかわるさまざまなケースの相談窓口をまとめたページです。

●子育て応援
ひとり親家庭や障がいのある子を持つ家庭、金銭的に困窮している家庭などへの支援をまとめたページです。

●子どもの救急
市内の休日当番医をはじめ、子どもの体調が急変した際の相談先や受診先をまとめたページです。

●災害や事故に備えて
災害への備えとして子どもに必要な非常持出品のチェックリストや屋内外の事故を防ぐために配慮や考え方などをまとめたページです。

●おでかけガイド
市内で子どもを遊ばせられる遊具や広場がある公園をピックアップして紹介しているページです。

●エリア別マップ
子育てにかかわる施設を掲載した市内のマップページです。4つのエリアに分けて掲載しています。

▲「ところっこ子育てガイドブック~妊娠・出産・子育て~」電子書籍


子育て支援サービスをパッケージ化して子育て世帯に届けたい

子育て世代の皆さんに、支援サービスを利用していただきたい――。

すべての自治体の職員はそう思っています。しかし、サービスは知らないと利用できません。子育て世帯のもとにその情報を確実に届けるには、妊娠届や出生届を届け出るときに「子育てガイドブック」を配布する手段は非常に効果的といえます。

また、手渡された冊子は、自宅内のどこかに放置されるのではなく、子どもの成長や親の心の変化にあわせて読んでもらうことが重要です。

そのため、「子育てガイドブック」には、支援内容の紹介をするだけでなく、サービスの利用方法も記載することがあります。

その代表例が子どもの成長にあわせた相談・問い合わせ先や健診・予防接種が一覧で見られる「子育てカレンダー」です。一覧になっていることで、「何歳までこの冊子が必要なのか」ということもわかります。

▲「子育てガイドブックスマイル・スマイル2024」電子書籍


おわりに

「子育てガイドブック」は、子育て世帯に自治体の子育て支援サービスを利用してもらうために、自治体の希望に応じてさまざまな見せ方、デザイン、構成を考えて作成している情報誌です。

必要な情報を検索すれば得られるWebサイトではなく、子育て世帯にパッケージ化した子育て支援サービスを提供したいという自治体の子育て関係者の方々は、「子育てガイドブック」の発行を検討しみてはいかがでしょうか。

  1. Top
  2. サイネックス・マガジン
  3. さまざまな見せ方、デザイン、構成を考えて作成できる子育て情報誌